2005年9月、東京都中央区銀座8丁目に、新しいビルが誕生した。株式会社リコーのオフィスと三井ガーデンホテル銀座が入居する地上25階、地下2階建ての「銀座三井ビルディング」である。約1,200坪という敷地の半分近くは、オープンスペースとして、銀座の街を行き交う人々に解放されている。そのランドスケープデザインに、デュポン™コーリアン®が採用された。これほどまでに大々的に、屋外で用いられた例は初めてのこと。デュポン™コーリアン® の新たな可能性を示す試みである。
「開発にあたって、まず最初に“水”を大きなテーマに捉え、ランドスケープについても、水の流れをキーワードにデザインを依頼しました」と同ビルの設計担当である株式会社松田平田設計/総合設計室の家 武司氏。「敷地全体を水面に見立て、その上にあらゆるものを浮かべようというのが、ランドスケープの基本コンセプトでした。その場所を通り過ぎる人さえも、浮かんで流れてゆくかのようにイメージしました」と話すのは、銀座三井ビルディングのランドスケープデザインを担当された有限会社アースケイプの団塚栄喜氏。ふたりがコラボレーションしながら進めた同ビルの周囲は、完成直後から多くの人が集い、憩う場所となった。
「そもそもデュポン™コーリアン®を知ったきっかけは、六本木ヒルズにある“アンナの石”でした。独特の触感に、これが使えたらランドスケープの世界も広がるに違いないと感じました」と団塚氏。そんな経緯が、今回の採用につながっていた。しかし、これまでにデュポン™コーリアン®の屋外での施工例がほとんどないだけに、採用に至るまでには、さまざまな検討が繰り返された。
「耐水性に関しては、キッチンや洗面のカウンタートップに使用されていることから、よく分かっていました。問題は紫外線でした」
決め手となったのは、沖縄・宮古島で行われた10年にも及ぶデュポン™コーリアン® の曝露試験。その結果から、屋外における耐候性にも問題がないと判断されたのだった。
「水面を表現した床面の御影石の光沢と対比させるためにも、デュポン™コーリアン®の持つマット感が重要でした。さらに完成してみると、エレメントに街路樹の影の揺らめきや、行き交う人の影がきれいに映し出されて、思わぬ効果もありました」と団塚氏。何よりも、柔らかで、人肌に馴染むデュポン™コーリアン® の質感は、人々が心を緩める、憩いの場所に格好の素材であったという。
植栽のベース、ベンチとして設けられたそれらのエレメントに、人々は思い思いに腰掛け、ひととき憩い、そしてまた去って行く。銀座の街に新しい流れを創った、建築家とランドスケープデザイナーの斬新な試み。それは、デュポン™コーリアン®の可能性をも、大きく広げてくれた。 |